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不動産の建物調査

 

建物の調査には専門的な知識と経験が必要になります。一級建築士でも、意匠、構造、設備など専門分野が分かれており、建物の調査に特化した、デューデリジェンスやインスペクション専門の会社もあります。不動産業者、不動産鑑定業者、金融機関など、不動産を扱う業務に携わる以上は、ある程度は建物調査の知識も必要になります。

 

〇調査項目(全体)

※共同住宅を前提に調査項目を列挙します。

 

 

・給湯設備

製造年月日(10年以上か否か)、配管類の漏水等、出湯状況、サイズ等

 

・換気設備

浴室乾燥機、24時間換気、異音等

 

・電気設備

分電盤の容量、回路数等

 

・防犯設備

外部階段、避難はしごの状態、錆、2方向避難の確保。

火災警報装置、ガス漏れ警報装置の設置場所、定期点検の状況(機器点検半年、総合点検1年)。

監視カメラ設置台数と稼働の有無、セキュリティ会社への委託状況。

 

・キュービクル

保安点検状況、外部委託(電気保安法人)

※PCB保管の有無、含有材は考慮外

 

・ボイラー

簡易、小型、ボイラー

※小型ボイラーおよびボイラーは、年に1度自主点検を行う義務があります。ボイラーは1か月に1度、事業主が責任者とて定期点検を行い、結果を記録しておく必要がある。

 

・屋上防水

屋根や防水の状態、防水層の剥がれや浮き、水たまり、漏水後、修繕の時期。

 

・外壁の状態

タイルの剥がれ、白華現象、クラック、目地コーキングの劣化(弾力性、硬化しているか)等

タイル(磁器、せっ器、陶器)の種類

 

・MB(メーターボックス)

漏水のチェック、錆等の状況

 

・サッシ

通常サッシ、エアタイト、セミエアタイト

ペアガラス、省エネガラス、防犯ガラス

 

・オートロックの有無

 

・集合郵便受けの有無

 

・共用廊下の方式

 

・バリアフリーの状況

 

・駐車場台数、種類、防犯対策

 

・自転車置き場有無、防犯対策

 

・高架水槽

錆、漏水、固定状況等

※貯水槽の有効容量が10m³を超えるものは、簡易専用水道となり、水道法によって設置者の義務が規定。簡易専用水道の設置者の義務は、①厚生労働大臣の登録を受けた検査機関による検査の受検(年1回)②衛生的な管理として年1回の貯水槽の清掃③施設の点検④汚染事故が起きた時の対応。10m³以下については、簡易専用水道に準じ、管理することが望ましい。

 

・照明器具不点滅の有無

※管理の良否をはかる判断基準にもなる。

 

・外部植栽管理状況

※管理の良否をはかる判断基準にもなる。

〇調査項目(専有部分)

 

・通信インフラ

通信設備の状況、マルチメディアコンセント等

 

・空調設備(個別、セントラル)

壁掛、埋め込み、未設置、室外機の位置等

 

・内部建具の状態

 

・床

傷、汚れ、腐食、長尺シートの剥がれ

 

・天井

クロスのカビ、剥がれ

 

・バルコニー

奥行、眺望、通風、臭気、騒音、手すりのぐらつき、鉄部の錆、水勾配

 

・畳(表替え、裏返し、新調)

〇所有者(管理者)へのヒアリング

 

・床下浸水(役所のデータ)の有無

 

・給水赤水の有無

 

・給湯問題ないか

 

・雨漏り

 

・PCB(ポリ塩化ビフェニル)保管の有無

 

・耐火被覆(アスベストの有無)