相続は人生のなかで何度も経験するものではありません。

不動産の売買、結婚、就職などと同じように人生の大きな節目になります。

 

相続のながれの中には、葬儀、遺産分割協議、相続税の申告、不動産の名義変更、財産の処分などがあります。

普段の生活ではほとんど経験しないことを短期間で行う必要があります。

 

葬儀は葬儀会社に、遺産分割協議は法律の専門家に、相続税の申告は税理士に、不動産の名義変更は司法書士に、不動産の処分は不動産会社にお願いするケースがほとんどではないでしょうか。

 

平成25年の税制改正により、相続税法の一部が改正されました。新しい税制は平成27年1月1日以降の相続から適用されます。改正内容の詳細について知りたい場合はこちらからご覧ください。

 

従来、相続税は主に資産家などの富裕層が対象で、一般的な世帯にはあまり関係のない税金でした。

しかし、税制改正により申告者はほぼ倍増しています。今回あらたに申告をする必要になったのは、富裕層ではなく、一般的なご家庭ではないでしょうか。

 

資産家や富裕層であれば、税理士などの士業、不動産の管理会社、金融機関なども普段から身近かもしれません。

しかし、一般的な世帯にとっては普段の生活で付き合いなどもなく、相談するにも敷居が高く感じられるかもしれません。

 

本サイトでは、相続を自分でやった場合どのような手続きが必要になるか、大まかな流れを整理してみました。

税金の申告や不動産の登記などの手続きも自分でおこなうことは可能です。特に相続する財産の内容がシンプルな一般的なご家庭ほど、自分でおこなう条件が整っているといえるのではないでしょうか。

 

自分で相続することのリスクや手続きにかかる時間などを考慮し、最後は自己責任で判断してください。

本サイトが皆様のお役に立てれば幸いです。

お知らせ

6月22日:財産評価基本通達の改正案についてのパブリックコメントが公表されました。

 

相続の大まかなながれ

期限 内容 概要 専門家 コスト感
  被相続人の死亡 被相続人の死亡により相続がはじまります。    
  葬儀 お通夜、告別式、火葬を行います。 葬儀会社 200万円
7日以内  死亡届、火葬許可 

市区町村役場に死亡届を提出します。

   
  遺言書の確認 公正証書遺言以外の遺言書の場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要になります。    
  相続人の確定

必要な戸籍、改正原戸籍、除籍をとりよせて相続人を確定します。

(相続関係説明図の作成)

行政書士  5万円 
  相続財産調査 被相続人のプラス財産、マイナス財産を調査し、相続財産目録を作成します。    
  財産の評価 不動産、株、ゴルフ会員権、骨董品等の評価を行います。    
3ヶ月以内 相続放棄・限定承認 家庭裁判所に申し立てをします。    
4ヶ月以内 所得税の準確定申告 被相続人に申告すべき所得がある場合には、所轄税務署に申告・納付をします。    
  遺産分割協議 相続人全員で相続財産分配の協議をします。協議が整えば遺産分割協議書を作成します。※有効な遺言書があり、遺言書どおりに分割する場合は不要。 行政書士 10万円 
  納税資金の準備

納税資金の準備、延納、物納、不動産売却などを確定します。

※不動産の価値は5000万円程度を想定

不動産会社 150万円 
10ヶ月以内 相続税の申告・納付

所轄税務署に相続税の申告・納付をします。

※相続財産の総額は1億円程度を想定

税理士

50~

100万円 

  相続財産の名義変更 不動産の相続登記、その他財産の名義変更をします。特に期限はありませんが、トラブル回避のため迅速に行います。※相続関係説明図の添付で戸籍謄本の原本を返却してもらえます。 司法書士 20万円 

1年以内

※1

遺留分の減殺申請 遺言によって遺留分未満の財産しかもらえなかったときには、遺留分を侵した相手に対し1年以内に「遺留分の減殺(げんさい)請求」を行うことで、これを取り戻すことができます。    
2年以内 葬祭費、埋葬料の請求 国民健康保険に加入の場合は、市区町村役場に申請します。    
3年10ヶ月以内 相続税の特例適用のための分割期限等 「配偶者の税額軽減」「小規模宅地の評価減」「特定事業者用資産の特例」を適用し申告内容を修正できます。 税理士  

※1 遺留分の侵害が合った日から

葬儀

葬儀会社に頼むのが一般的です。ひと昔前までは、隣組などと協力して家族が中心となっておくる風習も残っていました。最近では、直葬などのシンプルな葬儀も浸透しつつあります。しかし、大切なのは故人の遺志です。故人が望んだ形でおくるのがベストかもしれません。

相続人の確定

法律系の士業に頼みます。相続人を確定することが、後々の遺産分割協議、相続税の申告、財産の名義変更をする条件になります。被相続人の戸籍謄本を、出生の段階まで遡って取得する必要があり手間と時間がかかります。この段階で思わむ相続人の存在を知るかもしれません。

遺産分割協議

法律系の士業に頼みます。有効な遺言書があり、遺言書のとおりに分割する場合は必要がありません。遺言書がなく、相続する財産に分割が難しい不動産などがある場合は、どのように分割するかを話しあう必要があります。また、公正証書の形にするとで、正確性が担保されます。


不動産の売却

相続する財産のほとんどが不動産のようなケースで、相続税の納付資金を確保するためや、遺産分割するために売却を検討するケースがあります。土地の規模にもよりますが、不動産会社への売却か仲介会社で媒介するパターン

が中心です。隣地の所有者が購入するケースもあります。

相続税の申告

税理士に頼むのが一般的です。相続税の税制にともない一般的な家族にとっても無視できない税金になりました。これからは、所得税の確定申告のように、自分で申告するケースも増えていくと思われます。相続する財産が非上場の株式や複雑な不動産の場合は、注意が必要です。

相続の登記

不動産の名義変更は登記申請が必要になるため、司法書士に頼むのが一般的です。相続登記は申告とことなり義務ではないので、おざなりになるケースもあります。しかし、現在の権利関係を明確にしておかないと、後々の売買や担保設定などが難しくなるので、ちゃんと手続きをしておきましょう。


ブログ

日本と外国の相続税

「諸外国の相続・贈与税、事業承継税制等」(中小企業庁)http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousyoukei/140404jigyousyoukei.htm

中小企業庁の「諸外国の相続・贈与税、事業承継税制等」を参考に、諸外国と日本の相続税を比較してみます。

・税率:最高税率は5カ国中1位。税制改正により50%から55%に引き上げられました。つまり金持ちほど没収されやすい。

・課税割合:5カ国中3位。日本、フランス、ドイツは広く浅くで課税。

・基礎控除額:条件が異なるので比較できませんが、日本は平成25年の税制改正により引き下げられ、納税者がほぼ倍増しています。

・相続税のない国

スイス、中国、シンガポール、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、マレーシア、イタリア、タイ、モナコ、ロシア等

相続の無料相談

相続で行う作業は多岐にわたり、また相続税の申告など期限が設けられているものもあるため、相続人にとっては相当の負担となります。遺産分割協議、税金の申告、不動産の登記など慣れない作業の連続となるため、まず何から手をつければいいのかさえわからないのではないでしょうか。専門家に相談したいところですが、どの専門家に何を相談したらいいのかを整理する必要があります。そこで、まずは無料で利用できるサービスを活用することをお勧めします。

 

①相対でのサービス

・役所の無料相談

役所が定期的に開催している、無料相談があります。

テーマは、法律、税金、不動産取引、登記、相続・遺言等多岐に渡ります。

↓例)東京都府中市の市民相談

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/sodanannai/shimin/index.html

相談員は弁護士、税理士、司法書士等の専門家ですので安心です。

ある程度事前に質問内容を整理し、資料など必要と思われるものを準備しておくことで的確なアドバイスを引き出しましょう。

 

・各士業が開催している無料相談会

弁護士、税理士、司法書士等の資格者の団体である協会が定期的に開催している無料相談です。

相続の相談になると質問内容が多岐にわたるので、横断的に質問できる士業連携の無料相談会を活用することをおすすめします。

↓例)暮らしと事業のよろず相談会

https://event.tokyo-cci.or.jp/event_detail-72283.html

 

②WEBでのサービス

・マッチングサイトのQAを活用

税理士等の士業と相談者をつなげるマッチングサイトというものがあります。

敷居の高い士業の事務所は、紹介でもない限り訪問するのに腰がひけてしまいます。マッチングサイトであれば、WEB上で、地域や専門分野などから絞込み検索を行い、有資格者をピックすることができます。また、有資格者のとのコミュニケーションツールとして質問の受付もしています。ただし、会員登録しないと利用できないケースが多くなります。

↓例)税理士ドットコム

https://www.zeiri4.com/

 

・法テラスの活用

国民向けの法的支援を行う中心的な機関として設立さた独立行政法人で、「司法制度改革」の三本柱のひとつです。相続の遺産分割協議などでトラブルに発展したときなど、メールや電話で相談できます。利用条件を満たすと無料法律相談なども受けられます。

↓法テラス

http://www.houterasu.or.jp/index.html

不動産の評価額を知る方法

不動産の売却を検討する理由はさまざまです。地元にかえるため、戸建てからマンションに住み替えるため、住宅ローンの支払いが厳しいため、相続した実家を処分するためなど。売却の理由はさまざまですが、評価額や評価手法も様々です。誰に相談するか、どのような手法で評価するか、早期の売却前提かまたは時間がかかってもいいから希望価格で売りたいのかなど。
評価の種類について紹介したいと思います。
・査定価格
インターネットで、「不動産 査定」で検索してみると、トップページには一括査定サイトが表示されます。このサイトを通じて査定を依頼すると、対象不動産の近隣にある不動産会社が査定をしてくれます。回答は郵送やメール又は訪問など様々です。内容としては近くの取引価格や売出価格から比較して評価してくれるものです。不動産会社の回答もばらつきがあります。高い査定額を提示してくれた不動産会社に依頼したくなりますが、高い査定で売れるとは限りません。高い価格で市場に流通し、売れないまま滞留物件になると印象が悪くなります。
・鑑定評価
不動産鑑定士による評価額です。不動産会社の査定とことなり報酬を支払います。不動産鑑定士による価格にも実はいくつかの種類があります。フルスペックの鑑定評価書、評価の手順を一部省いた調査報告書、最も簡易な意見書の3つです。鑑定評価書が最も高く10万円以上はします。価格だけ知りたいのであれば意見書でも十分かもしれません。
・財産評価
相続税や固定資産税の課税標準を求めるための評価手法です。相続税路線価または固定資産税路線価から求めます。詳しくはこちらを参照してください。路線価は全国地価マップというサイトから簡単に検索できます。路線価に面積を乗じて、相続税路線価であれば0.8で割戻し、固定資産税路線価であれば0.7で割り戻して時価ベースの評価額を算出します。建物は固定資産税評価を利用します。毎年おくられてくる固定資産税の納税通知書の中にある課税明細書で確認できます。
信頼度は「鑑定評価>査定価格>財産評価」の順ですが、財産評価であれば自分でもできます。専門家に依頼する前に自己査定を行うことで、相場観を把握しておくことも重要です。