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市街地再開発事業の工作物補償はどのように行われるのか

 

公共用地の損失補償基準第16条(建物その他の工作物の取得に係る補償)

 

近傍同種の建物その他の工作物の取引の事例がない場合においては、前条の規定にかかわらず、取得する建物その他の工作物に対しては、当該建物その他の工作物の推定再建設費を、取得時までの経過年数及び維持保存の状況に応じて減額した額をもって補償するものとする。

 

 

公共用地の損失補償基準細則第4

 

1 建物の取得補償額は、次式により算定した額に、経過年数に比し腐朽破損の著しいもの又は修繕等により改装したもの、維持保存の程度が良好なもの等、それぞれの建物の状況に応じて相当と認める額を増減して得た額によるものとする。

 

延べ面積1㎡当たりの推定再建築費 × 現価率 × 延べ床面積

 

2 工作物の取得補償額は、建物の場合に準じて算定するものとする。

 

工作物の再設費 × 現価率

 

※工作物移転の場合は、公共用地の損失補償基準第28条、同細則第15を参照

〇工作物とは

 

工作物に関する明確な規定はないが、建物の直接工事費に含まれない工作物とは、建築物から分離移転することが妥当なものであり、具体的には門、門柱、門扉、フェンス、屋外コンクリートたたき、物干し台、車庫、物置等がある。

 

※工作物の権利者(借家人、建物所有者等)を明確にする

〇損失補償基準及び細則を確認する

 

工作物の範囲や具体的な補償内容については、事業ごとに損失補償基準及び細則の中で定めています。

 

工作物の再設費の算定方法において、取得価格(帳簿価格)が反映されるのか、または、各メーカーの見積りに基づくのか、現価率算定における耐用年数及び残価率はどのような基準に基づくのか等、基準及び細則の中で記載がないものについては、事業主体側に説明を求める場合もあります。