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都内500万円以下で購入できる中古戸建住宅への投資を検証する

 

普通の個人投資家でも参戦可能な500万円以下の中古一戸建て投資について検証してみる。

東京郊外の中古を小さい投資で購入し、リターンをとることができるのか!

 

 

〇購入物件の前提条件

 

・総額500万円以内

・駅徒歩圏内

・できれば都内(島以外)

 

 

〇ネットで検索

 

500万円以下の条件で5件ほどヒットしました。

内上記前提条件をクリアしたのは2件。

しかし、1件は借地権付建物(土地は賃貸)だったのでパスとし、残りの1件について購入を検討する。

 

 

〇物件概要

 

・販売価格:約400万円

・所  在  地:東京都青梅市

・最  寄  駅:JR青梅線「青梅」駅 徒歩4分

 

 

 

〇賃料収入

 

現在賃貸中(月額賃料35,000円)

現況賃料は周辺相場と比べて適正な水準と判断

 

 

〇土地建物の積算価格

 

戸建の経済価値の基本は積算価格なので、試算しておく。

 

・土地:92,000円/㎡(路線価) ÷ 0.8(時価ベースへの割戻) × 38㎡ × 0.5(再建築不可※) ≒ 2,200,000円

※違反建築物:△50%

 

・建物:耐用年数満了のため、残存価値なし

 

2,200,000円 + 0円 = 2,200,000円

 

この価格(土地価格)を底値と判断します。

 

 

〇利回り水準

 

現在の利回りが11%程度です。

周辺の相場はどの程度でしょうか。

 

【収益物件(アパート)の販売状況】

 

最寄駅 徒歩 築年 総戸数 販売価格 利回り
東青梅 4分 1989年4月 ビル 4480万円 8.4%
東青梅 バス10分 1987年6月 6戸 1900万円 10.7%
河辺 7分 1990年2月 4戸 2680万円 8.3%
河辺 8分 1975年4月 3戸 2450万円 8.5%

 

上記収益物件は募集事例のため、実際の成約ベースを考慮すると

駅徒歩10分圏で、中古9~10%程度のようです。

現状の利回りは再建築不可のリスクプレミアが乗っているため、やや高目になっていますが概ね妥当と判断。

 

 

〇経費率

 

一棟貸しなので、運営費用は固定資産税、都市計画税、損害保険、保証会社くらい

運営収益の10%程度みておけば十分。

 

 

〇中古戸建投資のリスク

 

①稼働率

 

一棟貸し最大のリスクが稼働率です。入居中は100%稼働ですが、退去すると0%です。

複数のポートフォリオの中に、戸建てが一棟ならヘッジできますが、一棟しかない場合はヘッジがありません。

しかし、不動産特有の固定経費、ローンの返済が発生するので赤字が継続します。

 

②売却時

 

オーナーチェンジなら可能性は高いですが、本件のような郊外エリアは空き家問題があるくらい物件がだぶついているため、実需の需要を探すのは大変です。

 

更地にして、隣地所有者に購入してもらえれば御の字。

 

 

〇シミュレーション

 

10年後に売却した場合のシミュレーション

シミュレーション

※賃料収入は当初5年間は戸当たり3.5万円/月、5年目からは賃料3万円、稼働率は途中で入替期間が1年間発生する想定で90%とする。

※経費は賃料収入の10%

※購入価格は指値をいれて3,420,000円。違反建築物でローン不可のため現金購入。

※オーナーチェンジ物件なので、購入時のリニューアルコストは不要。

※売却価格は土地値

 

トータルの収支は

賃料収入       351万円

運営費用   △35万円

購入価格   △342万円

販売価格       220万円

           +194万円

 

194万円のプラスですが、これはシナリオ通りにすすんだ楽観ケースです。

 

不動産事業というレッドオーシャンの市場で、シナリオ通りに進むことの方が稀です。

テナントが決まらない、売るに売れないという状況になれば、途中で大幅なリフォーム工事も必要になるかもしれません。

そして、リニューアルしたとしても、特に郊外立地への投資の場合、借り手がつかない可能性もあります。

 

そのリスクを負える経済力があれば、200万弱のリターンをとりにいくのもありかもしれません。